CLUBゆり太   ~沈黙と孤独~

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CLUBゆり太へようこそ・・

移籍先も 決まり

ママの店に 出勤する

残りの 日数を ひたすら消化・・

そんな 日々を 送りつつ

やはり 気がかりなのは

一緒に店を 支えて来た

仲間たちのこと

移籍の話は ゴミ松から

口止めされており

辞めることも

誰にも 伝えていなかった・・

今日はそんなこと書いていきますので

どうか最後まで お付き合い下さいな。。

23時の 早帰り

店を辞めることが 確定している 夜蝶は

残りの 出勤日数が わずかに なってくると

もう 同伴もアフターも 入れなければ

店に客を 呼ぶことすら しないのが

普通かもしれない。

月末までに 成績を残す必要もないし

次の 店が決まっていれば

そっちに 金を落として貰うため

辞める店に わざわざ 呼ぶ 意味が無いのだ。

同時に 店側も

辞める夜蝶に 対して

目に見えて 分かりやすい冷遇をする。

例えば

新規の客は もちろん

自分が 客を呼ばなければ

どの席にも 着けさせず

1人だけ 待機をさせたり

23時の時点で 自分に客がいなければ

早帰りさせる・・等など

辞める人間に 支払う時給はもちろん

客を引っ張らせないよう

徹底排除する 態勢が敷かれる。

この 徹底排除の態勢は

ママの店を退く 私にも 例外なく適用された。

そんな あからさまな ママの対応に

はじめは ムカついたけど

客を呼ばなければ 早く帰れる・・

ある意味 こんなに 気楽な事は無かった。

店が まだ営業中の23時に 上がれるなんて

なんだか とても 新鮮だった。

駅まで歩くと いつもなら

とっくに 閉まっているような 店も

まだ 営業していたり

電車だって 走ってる。

会社帰りの 男性だけで無く

まだ この時間は 女性の姿も 多く見かける

なんだか それも 新しい発見に感じた。

店側の出口は 市庁や県庁 横浜スタジアムなど

クリーンな 街並みなのに対し

駅の反対側 伊勢佐木町方面は

風俗店や ラブホなども 多く

同じ 横浜関内でも だいぶ 毛色が違う。

カラオケや 飲食店も 無数に立ち並び

店側の 出口よりも

常に 人がゴミゴミ あふれ返っている。

度々 同伴や アフターで 

訪れは するものの

まだ 店の 営業時間内に

こんな場所を 歩くなんて

滅多に 無かった。

留守番をしている 長女に

何か お土産でも 買って帰ろうと

うろうろ 歩いていると

周辺の キャバクラや 風俗店の

スカウトに 数メートル置きに

声を掛けられる。

今は 取り締まりが 強化され

スカウトや 客引きの姿を

表立って見かけることは 少なくなったが

当時は 何処を歩いても

こういった店の スカウトに 声を掛けられた。

私に限らず 若い女の子が

夜中に ひとり こんな場所を

歩いていたら 何処からでも 

標的にされるだろう・・

今 振り返ると 長年 そんな場所に

身を置いていたせいで 危険に対する

感覚が かなり麻痺していた。

仁義を 重んじる世界

夜の世界は 仁義や ルールに反すると

掟破りの その行為に対し

ペナルティーが 科される。

その 代表的な例に 男女問題がある。

同じ店で働く 男と女が関係を持ったのが バレると

『男60(万) 女40(万)』

これらの 罰金を払わせ 2人もろとも

クビを 飛ばすと言うのは

大体 何処の店でも 言われていること。

なので バレないうちに 大概 女の方が

別な 店に移っていく・・

これは あくまで 店の内側に 限った

ペナルティーだが

退店前の 店の子を 引き抜くと言うのも

御法度と 言われている 行為のひとつだ。

ゴミ松が まだ 自分の店に

私が 移籍する事を 伏せるように

しているのは ママとゴミ松

いわゆる オーナー同士の摩擦を考えてのこと・・

私が 完全に 店を辞める前に

移籍が ママの耳に入れば

何らかの 金銭的な意味合いも含んだ

取り交わしを ママから 求められる

可能性もある。

遅かれ早かれ ゴミ松の店で

仕事をする事は いづれ ママにも

客にも 知れる事となる・・

それは そうなのだが

いつも フザけてる ゴミ松も

さすがに そこは 慎重になっていた。

ノリカ姉さん

店を辞めることは ママとテルさん以外 

知らない。

ここ最近 客を呼ばなくなり

早帰りや 待機など

明らかに

今までと異なる 私の 仕事の仕方に

店の 女の子たちも だんだん

その状況を 飲み込み始めていた。

辞める事については 特に 誰からも

口止めは されていない

けど・・

何となく 言えないままになっていた。

そんな ある日の営業前・・

その日は まだ ママは店に来ておらず

カウンターで テルさんが おしぼりや グラスなど

黙々と 準備をする中

出勤してきた 女の子達は 着替えやメイクに

それぞれ 時間を費やしていた。

既に 準備を整え 客からのメールに

返信をしている 私に

「ゆりゆり 店 辞めちゃうの??」

そう 声を掛けて来たのは ノリカ姉さんだった。

現在 Twitterでも

「ゆりゆり」と 呼んで下さっている方々が

おられますが

私を 1番最初に 「ゆりゆり」

呼び始めたのは この ノリカ姉さんなのだ。

以前にも お伝えしたのですが

この 夜の世界は 昼間の会社のような

年功序列と言う 仕組みが 適用されず

基本 歴や年齢 関係無く

売り上げが多い人間の立場が上と言う

考えに基づき 目上の人も みんな

私を 「ゆり太さん」と呼んでいた。

ノリカ姉さんは おそらく 6コか 7コくらい

年上で 歴も 私より 短かった。

にも関わらず 私の事を 「ゆりゆり」と 呼び

周りを 凍り付かせていたけれど(笑)

私 本人は 特段 そこは気にしておらず

歴や 売り上げ 関係無く

目上に対する 口の聞き方は 個人的に弁えていた。

そんなことより 何より 私は

ノリカ姉さんが 大好きだった。

「ノリカ」の由来は

ノリカ姉さん 本人 曰く

「藤原紀香に 似ていると よく言われる」から

なのだ そう・・(笑)

(ちなみに 現場では 圧倒的に

小林幸子に似ていると言う声が 多く聞かれていた・・

あの・・まあ・・源氏名は 本人の自由です・・笑)

ノリカ姉さんの 接客は

本当に 見事だ。

話題の引き出しも多く 常に テーブルは

爆笑に包まれ どんな客でも

和気あいあいな 雰囲気 にしてしまう。

更に ノリカ姉さんは お酒も強い

スタイルも 抜群で

見た目も 「藤原紀香」なのに

ちっとも 気取ることない

ノリカ姉さんに

いつも 助けて貰っていた。

そんな ノリカ姉さんだったけど

私は まだ 辞める事を

伝えてないのだった。

「あー・・そうです 私

今月で 辞めるんですよ・・」

何となく 気まずくて 言いにくそうに答えると

「やっぱり・・ママがさぁ 

シフト増やせって 言って来たんだよね」

ノリカ姉さんは 昼間の仕事もやっている。

だから 今以上 シフトを増やすと

体力的にも 時間的にも 厳しいのだった。

当時 私以外の 店の子は

みんな 学生や 昼の仕事をしていて

1週間ぶっ通しで 出勤するレギュラーが

私以外 他にいなかった。

募集をかけても スグに人など 集まらないし

入っても なかなか 人が定着しないのも

この業界の 特徴だ。

更に ママの厳しさが そこに加わる。

ノリカ姉さん含む 今 この店に

残っている 女の子達は それなりに

その 厳しさにも耐え 頑張って来ている 子たち。

自分が 抜けるせいで

残る子たちは 今まで以上に

しんどい状況に 置かれるのを

思うと 胸が締め付けられた。

「ゆりゆりが いなくなるんだったら

アタシも やってらんないよ」

「多分 みんな 辞めるんじゃない??」

ノリカ姉さんの その言葉に

更に 心が ギュッと強く 握り締められた・・

少なからず ママや店に対する 不満は

みんな どの子も 持っていたと 思う。

ママはママで

やる気の無い子の 不満を常に

こぼしていた・・

そんな ママと女の子たちの 間に立つ つもりなど

全く無かったのだが 結果的に

私は その役割を 果たしてきた・・

いや、 果たさざる得なかった。

ママが 本気で ものを言ったら

おそらく 1人残らず みんな

辞めていくだろう。

私のように ママとの

一定の 信頼関係を 持たない

女の子たちにとって

ママの声は きっと 罵声にしか 聞えない・・

言葉に出せない 思いを封じ

作り付けの ラックに 並んだ

客たちの ボトルを ぼんやり

見つめていると

「ゆりゆり もう 次の 店 

決まってるの??」

ノリカ姉さんを 信用していないと

言うことでは 無かったが 

ここは 何も言っては ダメな 部分だと思った。

「ゆりゆり・・アタシ この先

どうしよう・・??」

ノリカ姉さんの その 言葉に

足元から ジワジワと

何かが 染みこみ ぬかるんで行くような

そんな 感覚を 覚えた・・

また続きでも・・

今日も ここまで お読み頂きまして ありがとうございました。。

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