CLUBゆり太へようこそ・・
満身創痍・・
まさに この言葉が示すように
生活 そのものに疲弊し
今は ただ
残り少ない ママの店への
出勤を果たし続ける
それが やっと・・
そんな ゆり太を 案じる
お客様のひとり
「タク兄(タクニイ)」の存在
今日はそんなこと書いていきますので
どうか最後まで お付き合い下さいな。。
店の女の子達にも お客様にも
「辞める」事を 明かしていなかった。
明かしては いなかったけれど・・
店に残る子に対して 私から伝えたい事も特にない
ただ 心配はあった・・
このまま ママのやり方を 推し進めて行くならば
店は 確実に ツブれる。
それを 知りつつ 自分だけ一抜けするみたいな
後ろめたさ??も 無くはなかったが
正直 今の自分に 他人の身を案じる 余裕など無い。
お客様にしても
ママの店で 得たお客様。
それは 所詮 自分の客とは 言えないと 考えていたし
もし この先 他の店に移るにしても
そこに 引っ張るような 気持ちもない。
ママにしたら 快く思わないどころか
また 要らぬ怒りを 買うことは 目に見えている。
色々と 面倒だった。
ならば 誰に 告げることなく 辞めるのが
自分にとって 1番 気が楽だったのだ。
ただ そう考えつつも 日頃から お世話になっており
何も 言わず辞める・・と 言うのも
心苦しいと感じる
お客様も 何人か居たのだ。
その中のひとり
「タク兄(タクニイ)」は
超大手企業に 勤務するエリート&お偉いさん。
年齢は 当時40代後半くらい??
ルックスは 演歌歌手の大川栄策そのもの
なので ここでの呼び名を「大川さん」にしようか??
迷ったのだけど
当時の関係性を 素直にお伝えしたく
そのまま 「タク兄」にした。
仕事柄 2,3年周期で
異動を 繰り返している タク兄は
単身赴任で 店と会社からほど近い 繁華街の一角にある
会社が借り上げたマンションで 1人暮らしをしている。
もっぱら 愛知県に残してきた奥様に 財布を握られ
華の単身赴任生活とは 行かないようで
ひっそりと 地味な独身生活を 余儀なくされていた。
ママの店は比較的 良心的な?? ここ 横浜の夜の店界隈では
まあまあ 平均的な料金設定・・とは 言えども
席に座って1万円のセット料金は 確実にかかる。
ここに 指名料や同伴料 ボトル 割物・・等など
美容師やってた私の 初任給など
一夜で 軽く吹っ飛ぶような 世界・・
決して お金が無い人が 来れないとは申しませんが
某 千葉県にある 夢の国と 同じく
もっと 楽しみたいなら お金を払うシステム・・
お金が 物を言う世界なのは 間違いありません。
しかしながら
プライベートなお財布に 自信が持てなくても
『会社の経費』を持つ お客様は 別なのだ。
タク兄は この経費の枠を 自由に扱える
夜の店にとっては 喉から手が出るほど 欲しいお客様であり
その為 ママも 必死だった。
以前に 夜の世界を生き抜く上の『ママからの教え』に
「客と外で会うな」と 言うのがありましたが
ここには 例外があるのです。
絶好の流れで そこの会社の経費をget出来そうな
見込みがある時
もしくは 既に 経費を落として貰っている 関係先には
会社の休日のイベントなどに
お店の女の子2,3人とママとで
営業に行く事も たまにあったりします。
もちろん 店からの時給は発生せず
ママも それを承知で
ついて来る女の子しか 連れて行かない。
当然のように いつもその中に
私は含まれている。
けれども そう言った営業は 後々
日々の売り上げに ハネ返ってくる可能性が 高いのも事実。
顔を売るチャンスでもあるので
まだ お店に来たことが無い人にも
自分を知って貰える。
そこから また新規のお客様として 足を運んで貰う
ここが理解出来ている 夜蝶であれば
目先の時給になど 囚われる必要は 皆無。
このような 所謂 オイシイ案件は
電話や 毎日メールだけでは 引っ張り続けるのは 特に 難しい。
その為 こう言った 地道な営業活動は 欠かせないのであった。。
ただ 無闇やたらに 営業に出れば良い訳では無く
ここには タイミングが重要なのだ。
この タイミングには
明確な基準も 確実なマニュアルも無く
その見極めを 見誤ると
それきり 店に来なくなる場合も 珍しく無いのだった。
まるで 潮目を読むような・・
ここは 長年の経験と勘が 求められる部分でもあるので
新人の頃は よく ママに相談していたし
このような 休日営業に出る場合は 大口に限らず 個人でも
大抵 ママの指示で 私は動いていた。
タク兄は そんな 休日営業に出た事のある お客様の1人だった。
同じ会社の上司に 連れられて 来店してから
私を指名してくれるようになった。
ただ その時点では
まだ 個人でお忍びで来てくれる様になった所の スタートなので
売り上げ的には弱かった。
それに お客様の方とて
この店と担当の女の子が 本当に使えるのか??
今後 接待や2次会等で 他のお客様を 連れて来ても 問題無いか??
経費を使う前に 先ずは こうして個人で来店し
当初は まだ 値踏みをされている段階なのであった。
一方 この状況を ママとしては何とか打開させたい。
大口の経費を持つお客様が 常連となれば
店にとって これ程 心強い事は無いのだ。
私も そこは もちろん理解していたけれど
タク兄は 人間的に本当に 尊敬出来る人だったし
「兄」と呼ばせて貰っていただけに
様々な事を教えてくれる お客様。
それは 決して 偉ぶる説教とは 違い
どの世界でも 通ずる 処世術に 近い物があった。
夜の世界と言う 特殊な環境下で生きている
私としては タク兄との会話に
学ぶべき事柄を 常に抽出する事が出来た。
企業のトップに
果てしなく近いと言う 立場でありながら
そこには いつも
タク兄の 人間味も感じられたのだ
だから?・・なのか・・
暗に 経費とかビジネス要素を振りかざす
ママの手荒な引き方は
当時 私は あまり気乗りがせず
自分なりの
あくまで
人間的な付き合いを 構築するスタイルを貫いた。
タク兄は 実直で曲がった事が嫌いなタイプの人柄
それと同時に
情に厚く 気遣いの人でもあった。
そんなタク兄は 私とママの 気まずい雰囲気を察して
とても 心配をしていた。
お客様である タク兄に そんな心配をさせてしまっている・・
タク兄に限らず 来店する お客様には
楽しんで 喜んで貰いたい
それなのに・・
そんな状況が 更に 自分を落ち込ませていた。
そんな 申し訳なさから
タク兄には 黙って辞める事が
心苦しいと 思っていた・・
また続きでも・・
今日も ここまで お読み頂きまして ありがとうございました。。
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