CLUBゆり太へようこそ・・
預かり先の キャバクラで
カラオケ業者 サトピから 連絡先を聞かれたゆり太
サトピに担当の子が付いているかどうかも 分からないまま
入店早々 困った状況に置かれる・・
今日はそんなこと書いていきますので
どうか最後まで お付き合い下さいな。。
テーブルに一緒に着いている 女の子は私の他に2人。
状況によりけりだが
一般的に指名の女の子は お客様と同じソファー席やボックス席側
ヘルプの子はテーブルのセット(ボトルや割物 アイスペールなど)前の
小さなスツールに座る場合が多い。
1人はセット前に座っていて もう1人はソファー席側にいた。
なので このソファー席側に座っている子が サトピの担当なのか??とも思ったけど
なんとなく・・ お客様達との会話に慣れているとは ちょっと 言い難い・・
じゃあ 担当の子は 他の席に指名で回っているのか??
それとも サトピは全くのフリーなのか??
どちらにせよ この判断を間違えると 厄介な事に発展しかねなかった。
小さめに手を上げると
付け回しの男性スタッフが
素早く 私の足元に姿勢を 低くしてやって来た。
小声で手短に状況を説明すると
「サトピさん 申し訳ございません 今オーナー呼んできますので・・」
そう言い 席を離れていった。
何となく テーブルの雰囲気がしらけたような感じになり・・
サトピが選曲した テレサ・テンの『愛人』を歌わされながら
オーナーがテーブルにやって来るのを 待っていた。
テレサ・テンも歌い終え 何とか場を繋いでいると
「いらっしゃいま♡せ~ぇ~」
当時40代半ば キモ顔 猫背で中肉中背
男性オーナー「ゴミ松」がクセ強めに言いながら サトピの隣に座る。
「サトピさん ゆり太 気に入ってくれたの?? コイツさ 実は知り合いの店から預かってんの」
ゴミ松は 至って軽いノリでサトピに言った。
サトピも
「へ~そうなんだ~」
大した問題では無い・・と言った様子 さほど 驚きもせず返事した。
「サトピさん コイツのママんとこ 紹介しますから」
そう言うと 「カラ名刺」を私に手渡した。
「カラ名刺」は 店のロゴと情報が書かれているだけの名刺。
私のような入店したてで まだ名刺を作っていない子が
その余白に 自分の連絡先を手書きする時に使うのだ。
ゴミ松は私に「連絡先を教えるように」って 事らしい
手元を見られ ちょっと緊張しながら 自分の名前と連絡先を書いて
サトピに手渡した。
実は このゴミ松 ママだけでなく
私とママが 元々一緒に仕事をしていた店の オーナーママが
ホステス時代からの知り合いなのだ。
だから2人のママのことを いつも
「リナコ(オーナーママ)」 「ミサキ(ママ)」と 気安く呼び捨てにしていた。
この3人に限らず 店の関係者同士
昔 在籍していた店などで 必ず何処かで繋がっていたりするのが 夜の街。
だから私も ここに預かりに入れられる前から
オーナーママとの関係もあり ゴミ松とは顔見知りだった。
ゴミ松は サトピを紹介してやる代わりに
ママの店に サトピからカラオケを入れるようにさせたくて
私をサトピに付けたのだろう。
こう言った 「持ちつ持たれつ」の関係性は 店を持ってる者同士
かなり 重要な部分と言えるのだ。
どれだけ 売れていても 周りの協力無しでは 到底生き残れない
これは 夜の世界に限らず 全てのフィールドで言えるのだけど・・
このオーナー ゴミ松
きっと 昼間の一般的な企業であったら 完全に訴訟を起こされても
おかしくないような言動を 日常的に繰り返していた。
夜社会でも出勤時の挨拶は
「おはようございます」
ゴミ松はこの「おはよう」が
→「いい加減ヤラせろよ~」
おそらく 自分の客からより ゴミ松から そう言われた回数の方が 完全に上回っていた。
アフター無しの日に ゴミ松が運転する 店の車で帰ると
※長女と暮らしてたマンション前で いつも 「部屋に上げろ」と 要求してくる。
※女の子達が着替え中 呼びに来るフリして フツーに更衣室に入ってくる。
見た目が良ければ まだマシなのだが
ゴミ松は パッと見 夜の街で仕事をしているような人間とは 到底思えない
色気どころか 汚らしさと嫌悪感を 漂わせるどころか まき散らしていた。
敢えて その 見た目を 例えるなら
1番人間に近いところで・・
生涯のほとんどを 樹にぶら下がって過ごす あの 「ナマケモノ」
ねっとりまとわりつく話し方は 松前漬けの イカ
首無し 猫背で立ってる姿は シャワーヘッド・・と 言ったところだろうか??
『物』にしか例えられない・・ そんな 見た目にもかかわらず
このような発言を のたまう事自体
調子に乗ってるとしか 思えなかった。
これらは 呼吸するのと変わらない 当たり前の中の ほんの 一部
何の免疫も無い 新人の女の子だったら その日のうちに ソッコー店を辞めるだろう。
夜の世界では 昼間の職場であるような 年功序列は通用しない
売り上げを持ってる人間が一番偉いのだ
いくら年上で歴が長くとも 売り上げが低ければ 立場は下。
そうは言っても 私は基本 目上に対する口の利き方は わきまえるべきだと
個人的には思っている。
当然 目上を呼び捨てになどしなかったし 敬語も当たり前。
けれども この 『ゴミ松』だけは 例外だった。
私が唯一 呼び捨てにし 敬語など無用としていた。
サトピは 預かり終了後 ママの店に来てくれた。
ママもゴミ松との「暗黙の了解」で 店のカラオケは サトピから入れた。
サトピは毎週末 仕事仲間を連れて通ってくれるようになり
ママとも店の女の子達とも 仲良くしてくれた。
閉店後 店の前の通りでサトピと偶然 会った私は
一緒に歩きながら
まだ ママの店がオープンしたての そんな 当時の事を 思い出していた・・
途中 何処かの店の 客引きが サトピに挨拶する
少し歩くと また別な 客引きが サトピに声をかけてくる
サトピは この辺の あちこちの店に出入りしている為
顔見知りの客引きも多く
何度か立ち止まり 短く会話をする・・それを繰り返しながら
ようやく ゴミ松の店が入るビルまで 辿り着いた。
エレベーターのボタンを押し 階を確認する表示を見上げながら
この場所で仕事していた あの1ヶ月間も また 久々に思い出していた・・
この後
ゴミ松から ある提案をされる事となる・・
また続きでも・・
今日も ここまで お読み頂きまして ありがとうございました。。
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