CLUBゆり太 ~辞める日&ヒモ男テルさん~

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CLUBゆり太へ ようこそ・・

1年ぶりに 訪れたゴミ松の店

そこで 再び 戻ってこないか・・??と 思わぬ言葉を聞く

長年 築いて来たはずの ママとの信頼関係が崩れ

今後の 身の振り方すら考えず

店を辞める決断は 既にしている ゆり太でしたが・・

今日はそんなこと書いていきますので

どうか最後まで お付き合い下さいな。。

カレンダー通りの休み

ゴールデンウィークに突入し 店は休みに入っていた。

夜の街は 基本カレンダー通りに休みを取る店が ほとんど。

中には 開けている店も 無くは無かったが

世間が休みと言う事は 仕事も会社も 一時休止状態

それに比例し 飲み歩く人口も 激減するため

夜の街も このような流れに従う方が

経費も抑えられると 言ったところだ。

私は 元々 昼間 美容師として仕事をしていた。

美容業界は これとは真逆で 休日の日こそ出勤を求められる。

長女が 2,3歳の頃までは それでも どうにかやって来れたけど

幼稚園 小学校と進むうち

週末に 運動会や参観日など 行事が入る事が増え

長女の預け先など その場しのぎの方法だけでは

切り抜けられない状況に 限界を感じたのだった。

そもそも 美容業界そのものの体質が 根底にあり

結婚 出産 子育てと 目まぐるしく変化するステージにおいて

美容師を続けて行ける エネルギーは私には もう 無かった。

もし 子育てしながらでも 続けて行ける環境であったとしたなら

ブラック&薄給でも 美容師は続けていたと思う・・多分・・

いや・・ どうかな・・??

いづれにせよ 長女が休みの日は 店も休み。

昼間の仕事を 選ぶそれなんかより 夜職の方がずっと

普通の暮らしが出来ると

当時の 私は思っていた。

店を辞める日

ゴミ松の店に サトピと行った 翌日

いつも以上に 店に行くのが億劫だった。

辞める決断をしたのに 何も変わらない状況を

ただただ 見送るだけの毎日が

心底 ムダに思えたし ママが何を考えているのかも まるで読めない・・

ずっと 気にかけていた店の状況も ママの本心も

その頃には もう どうでも良く思えて

出勤途中のタクシーの中で ママにメールをした。

「出勤 いつまでですか??」

『鬼瓦』の事を報告した 閉店後の あの日の ママの態度を思うと

直接会話するのも もう面倒だった。

基本 自分の言いたいことは 自分の口で直接言うのが 私のポリシー

だけども そこに後ろめたさなど 感じる必要など無いと思った。

ママはママで 私が「辞める」と言ってるにも関わらず

なんの リアクションも示さない

私にとってそれは 単なる「逃げ」としか思えなかったからだ。

そのような人間に メールで対応する事が 大した非礼に当たるはずなど無かった。

すぐに返信は無く その日 営業で顔を合わせても ママは何も言わないまま

店は連休に入ったのだった。

鳴り止まないケータイ

『店が休みの日は 電話もメールも 一切対応しません!!』

このように 営業時間外の コールセンター的な対応を

全面的に主張する 夜蝶のお嬢さん方も 存在する一方で

次の営業に 繋がるならば・・と 必死に対応する 夜蝶もいる。

私の場合 基本 電話は出ない。 メールは内容によりけり・・

客は ここぞとばかり

「店休みなんだから 会えるだろ?」と 思って連絡してくる。

「会社の仲間とゴルフ行くから付き合え」とか 「ご飯ぐらい食べれるだろ?」

この程度は まだ マシだった (行かないけど)

中には 「ハワイ行こう」とか 何ら悪びれる事無く言う 客もいるので

休みは 休みで けっこう面倒だった・・

当時は LINEでは なかったお陰で 既読とか未読とかバレずに済んで

私的には 助かっていた。

ママの返事

そんな5月の連休を過ごしていると

ママから返信が来ていた。

「来月 10日までで」

短く それだけ。 私もだけど 長々と入れる言葉など 無い。

この連休明け そこから残り 約1ヶ月で 店を辞める・・

ようやく 出口が見えたようで 少し心が軽くなった。

こんなに 楽な気持ちになれるなら もっと早く こうすれば良かったのに・・

何故だか ママから話をしてきて欲しいと言う 思いがあった

私は ママや店に対するケジメは きっちり付けたつもりだ。

だから ママにもちゃんとそれに 応えて貰いたかったけど・・

つまらない こだわりだと思った。

重荷が外れ ほっとした今となっては

そんなこと もう どうでも良く思えた・・

ヒモのテルさん

連休も明け 店も日常の流れに戻り 私も忙しくしていた。

ママとも相変わらず 必要最低限 業務上の会話以外

ほとんど 話さなかったけれど

辞める日が確定したのもあり それも大した ストレスでも無くなっていた。

そんな ある日の閉店後 カウンターでボーイの『テルさん』

「メシでも行こう」 突然 誘われた。

テルさんは当時50歳??くらい?? 細身で背も高く その年齢よりも かなり若々しかった。

店が終わると いつもジムに直行 休みの日はゴルフ

目や歯の白さが際立つ程 肌も黒光りしている。 ゴミ松とは 全くの正反対

正真正銘 『夜の街の男』 そのものと言える見た目だった。

若い頃から夜の世界に身を置き タバコの吸い方 上着のはおり方

そう言った何気ない所作が とにかく テルさんはカッコ良かったし 色気が漂っていた。

聞けば 昔お世話になったママに 

「この世界では男の立ち振る舞いだって 下品なのはダメ」

そう 厳しく教えられたのだとか。

その お世話になったママなのかは知らないが

テルさんは夜の世界のお姉さんのヒモ

店の近くの ビルの一室に住まわされていた。

ちなみにテルさんも ゴミ松の店にいた事がある。

そんなテルさんだけど 夜の世界が長いわりに お酒に弱く

少し飲まされただけで 黒光りしている肌は スグに赤黒く変わる。

男の色気漂うキャラも 酔うと一気に崩れてしまうのが ちょっと もったいなかった。

パッと見 近寄り難いイメージでありながら

とても温厚で 女の子達のご機嫌を上手く取りつつ

甘やかしてくれたように 見せながら人を動かすのが テルさんのやり方だった。

ママが 他の女の子達よりも 私に1番 厳しくしていたのも

もちろん テルさんは知っている。

だから いつも 優しく私のご機嫌も取ってくれていた。

女の子の店で働く男は 本当に面倒だろうな・・

年下で テルさんからしたら

まだ 駆け出しで小娘の 私が言うのもだけど

テルさんは ヒモなだけに 女をいかに扱うべきかを

よく 心得ていた。

そんな いつも 気にかけてくれているテルさんと

私はこれまで 2人で出かけた事はなく

急な誘いを 不思議に思ったけど

あとわずかで 店も辞めるし

お世話になったテルさんと ご飯に行くことにした。

また続きでも・・

今日も ここまで お読み頂きまして ありがとうございました。。

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