子供の頃 私は 外食が イヤだった。
普通なら 家族でレストランで食事なんて 喜びそうなモノ
レストランで好きな メニューを頼めたり
ファミレスの レジ付近に 決まって設置されている おもちゃスペースは
とても 魅力的だった・・・
今日は 楽しいハズの 外食が 一瞬で 気まずい雰囲気に変わってしまう
ある エピソードについて 書いてみますので
どうか 最後まで お付き合い下さいな。。
私の母は とにかく 全ての事において
自分の思った通りにならないと 気が済まない人だった。
特に 自分が お金を払ったりする立場になると
その意識レベルは 最大値にまで引き上げられる為 とても厄介だ。
お店の店員さんに対して 強く出る いわゆる あのタイプ。
基本 スーパーだろうが 百貨店だろうが お金を払うとなると
母のその横柄さは
時と場所を 選ばない。 特に 飲食店での 態度のデカさは 異常だった。
どういうつもりか知らないが うちの母は 外に出ると
突然 「お金持ちの奥様」に なってしまう。
話し方も なんだか 頭いい人ぶってて 子供の私から見ても 奇妙だった。
この ブログでも何度か 書いているのだが 私の家は クソボロい 2Kの県営団地で
父は 個人タクシーの運転手 母は割烹料理屋で 仲居のパートをしていた。
この通り ウチは決して 裕福とは言い難いし
それどころか 外食もそう度々 行く機会も無かったのだ。
だから 車でレストランに向かう途中は いつも とても楽しみで 嬉しかった。
いつも ウキウキで 到着したところまでは良いのだが
メニューを決める所から だんだんと 母の暴走が始まる。
私と兄が それぞれ頼みたいモノを 決めると 決まって 母の検閲に引っかかる。
兄がカレーにすると言えば・・
「カレーなんか 普段から食べてるでしょ!ここでしか 食べれないもの 頼みなさい!!」
私に対しても・・
「アンタ 何処に行っても そんなのばっかり もっと違うのにしなさい!!」
私も兄も 食べたいモノを選んだつもりなのに いつも そんな感じで 母にまくし立てられ
選び直せと言われても なかなか 決められずに 時間がかかっていると
「もう、いいわ!!」
そう言って 勝手に店員さんを呼んで
私や兄が全く意図しないメニューを 独断で決め 頼んでしまうのだ。
次々に 料理が運ばれて 兄も私も 食べ始めると
フォークの持ち方から スープのすくい方 口を大きく開けすぎない 噛む音をさせない
これらに対し 逐一 チェックが入る。
確かに 食事のマナーは大切で 現在の夫(ベンコロ)の ソレは最悪であるから
子供の頃からのしつけは それなりに 重要だとは思うが
↑↑ここに挙げられる 項目に対しての 母が施していた
「正しいレクチャー」とやらは
今 振り返ると 本当に正しいマナーであるのかと言われると
意味不明な部分も かなりあったりした
「あなたたちが 外で恥をかかないように あなたたちの 為に言ってるの!!」
これが 母の口癖で
この言葉は 食事に限らず あらゆる場面で 多用されていた。
こんな 調子で いつも母を気にしなくては ならなかった。
そして いつもいつも 私と兄が 悩まされていたのが
例の 母の 「お金持ちの奥様」劇場だった。
兄と 黙々と食べてると 母はおもむろに 高々と 肩の位置から 片方の手を高々と上げる
それに 気付いた店員さんが 足早に席まで来ると
「ちょっと このカップ ソーサーが欠けてるわよ」
当時は ドリンクバーなど 有るはずも無く 各テーブルに 店員さんが回ってきて
コーヒーのお代わりもしてくれていた。
「大変申し訳ございません 今すぐ新しい物に お取り替え致します」
丁寧に 頭を下げている 店員さんに
尚も母は 続ける
「アナタね お客様に出す前に こおいう事は気付くべきよね。」
「それにね さっきアナタが カップを置いた向きも 反対向きで あれでは お客様は手に取りづらいでしょう? こおいう所で お仕事しているなら もっと お勉強しないとね。」
店員「・・・・・」
何とも言い難い 空気が流れる。
店員さんは きっと まだ 高校生??ぐらい?の 若いアルバイトの女の子で
必死で笑顔を作り 対応しているのに・・・
私には 母が その人を苛めているように 見えた。
一応 言っておくが このレストランは オークラでも ニューオータニでも
ファミレスでもお高めの ロイヤルホストでさえない
現在でも 庶民の味方 「すかいらーく」で、だ!!
母は いつも いつも こんな調子で 店員さんを呼びつけ
社内の抜き打ちエリアチェックのような事をして
店員さんの その日のバイト終わりも おそらく 暗い気持ちにさせていたのだった。
ある時 帰りの車で 兄が母に どうして いつも店員さんに「文句」を言うのか尋ねると
「文句じゃないでしょ? アドバイスなの! お客様が言ってあげると お店は助かるのよ!」
自分が言わなければ 同じ事を別なお客様にするから 結局それでお店が損をする、
だから 「お店の為に 言ってあげてるの!」
母は このような持論を展開し 全く悪びれるどころか
良いことをしていると 本気で思っているのだった。
母の 上客ヅラには 私もうんざりして せっかくの たまの外食は
いつもそんなふうに台無しにされていた。
そのせいなのか・・
私は レストランなどで 店員さんに何か伝える事に対して 極端に遠慮と言うのか・・
とても悪いような気がしてしまい・・
実際に 髪の毛など 異物が入っているのに気付いた場合でも
そのまま残して帰る方が ラクと言うのか・・
それから 頼んだメニューが なかなか 来なくて 声を掛けるべきか 迷う時
自分より後から来た
別な席の人に 既に料理が提供されていて
明らかに 「絶対に、忘れられている」と
確信が持てないと 声を掛けるのを躊躇してしまって・・
そして やはり 運ばれてきた ハンバーグは既に ソースの ジュージューする音も静まり
付け合わせの コーンやほうれん草が 鉄のプレートにこびりついてて
「そうだよね、やっぱりね」
心の中で つぶやく クセが ついてしまっている現在の自分が なんだか やるせない。
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